あがる【上】
読者カード 語釈 2022年01月26日 公開
用例: | 寒さで車のバッテリーが上がるはずだったのに、予想が外れ五十個用意したバッテリーは三個しかさばけず、チェーンにいたっては・・ |
---|---|
『毎日新聞』 1988年1月31日 | |
語釈: | 【一】〔自ラ五(四)〕〔五〕物事が終わりになる。 蓄電池(バッテリー)が電圧低下を来たして使えなくなることをいう。 |
コメント:蓄電池(バッテリー)が電圧低下を来たして使えなくなることを、バッテリーが「上がった」、「バッテリー上り」と言い慣わしています。〔五〕物事が終わりになる。 の (8)(脈、乳、月経などが)止まる。絶える。が一番近そうです。とはいえ、
▶️乾電池は「電池が切れた」と言いますが、自動車のバッテリーに限りバッテリーが「上がった」と言うのが不思議。すごろくの上りや、語釈(五)の(8)だと不可逆変化を想定していますが、バッテリーは充電して回復可能な点がいくぶんか異なると思いました。
▶️古新聞を見ましたが、意外に遡りません。新しい語法なのでしょうか。
*朝日新聞 1988年09月27日 ドライバーに急増、うっかりトラブル JAFに対応を聞く 朝刊 1家 017「ちょっと考えごとをしていてキーを車内に忘れたり、ふとした油断でバッテリーが上がった、燃料が切れた、といったドライバーのうっかりミスによるトラブルがいま、全国で約14秒に1件の割で起きている」
*読売新聞 1990.08.12 帰省ピーク 高速道路が渋滞 エアコンをフル回転 バッテリー上げる車続出 東京朝刊 社会 27頁 670字 03段「この渋滞の中でエアコンをフル回転させ、バッテリーが上がってしまう故障車が続出。」
編集部:微に入り細を穿ったご指摘をいただき、ありがとうございます。ブランチ〔五〕自体、意義を12に細かく分けているので、この中にバッテリーに特化した意味項目を設けてもいいかもしれませんね。ちなみに、『三省堂国語辞典』には第2版(1974)から、この意味記述があります。
著書・作品名:毎日新聞
媒体形式:新聞・広報・官報
刊行年(月日):1988年1月31日
著者・作者:
掲載ページなど:毎日新聞 1988.01.31 記録的暖冬が続き日本列島には泣く人、笑う人が…東京朝刊 27頁 社会
発行元:毎日新聞社