日国友の会



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ベータせん【ー線】

読者カード 用例 2023年03月29日 公開

2022年02月25日 ubiAさん投稿

用例:大陸に於てアインスタイン、スタルク等の光量子說が稱へられて居る一方、英国ではダブリュー・エッチ・ブラグが熱心にX線は高速度を有する微粒子から成立つて居るといふ説を唱へた。其の根據とする處は、主としてX線が生ずる第二次β線のエネルギーの關係からであつた。
『X線の廻折現象と物質の內部構造』 1914年11月 寺田寅彦
語釈:〔名〕高速の電子からなる放射線。原子核のベータ崩壊の際に出る。物質の透過力や気体の電離作用はガンマ(γ)線とアルファ(α)線との中間で、磁界によって曲げられる。

コメント:辞書類からの投稿例(1906)よりも新しいですが、文例の投稿例(1923)よりもさかのぼるので。初出(大正三年十一月、現代之科學)とあります。

編集部:2008年5月21日付けで、末広鉄男さんに、芳賀矢一・下田次郎『日本家庭百科事彙』(1906)の例をご紹介いただいていますが、文章例としては、2005年4月28日付けで末広鉄男さんにご紹介いただいている亀高徳平・樫本竹治『理論応用無機化学』(1923)の例よりも7年さかのぼることになります。

著書・作品名:X線の廻折現象と物質の內部構造

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1914年11月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:154ページ本文7行目〔『寺田寅彦全集第八巻』、一九五〇年一二月五日 第一刷発行 一九八六年三月五日 第二刷発行〕

発行元:岩波書店