往年のファミコンブームを牽引しただけでなく、世界のゲーム市場にメイド・イン・ジャパンの存在を知らしめた『スーパーマリオブラザーズ』。2015年は発売30周年とあって、この不朽の名作に関する話題が多くなっている。9月には、ステージを自由に作成でき、しかもそれを広く発信できるWii U(ウィーユー)専用ソフト『スーパーマリオメーカー』も発売された。

 いまや「国際的スター」であるところのマリオだが、以前からその本名が「マリオ・マリオ」と噂されていたのをご存じだろうか。その根拠の一つといえるのが、1993年に公開された実写によるアメリカ映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』である。本作品では、主人公がマリオ・マリオと命名されていた。ただ、これだけならば映画だけの「勝手な」設定とも考えられる。

 ところが、今年開催されたイベント『スーパーマリオ30祭』で、任天堂の代表取締役・宮本茂氏がマリオ・マリオ本名説を認めたのだ。宮本氏といえば稀代のゲームクリエイターにして、マリオの生みの親。「ついに公式が認めた!」とネット界隈では大騒ぎとなった。が、公式=任天堂とするには少々心もとない。実際、こちら(http://withnews.jp/article/f0150917000qq000000000000000W00o0601qq000012513A )のサイトでは否定する回答も出ている。トリビアな話には過ぎないが、少なくとも開発者個人として「マリオ・マリオでかまわない」と思っているようで、世界にウケるクリエイターの遊び心がうかがえる一幕ではあった。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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