「言葉と言葉をつなげて、笑いにする」ゲームというものがいくつかある。比較的有名なものは、芸人・松本人志のテレビ番組の企画として生まれた、「面雀(おもじゃん)」だ。プレーヤーはいくつかの「言葉」の牌を持ち、お題の牌の上か下につなげて、「おもしろいフレーズ」を作る。大喜利的なセンスが求められるとともに、手牌の中から選ばなくてはならない「制限」がおもしろさのカギとなる。

 最近話題となっている「コラージュ川柳」は、上記でいうところの「牌」が新聞の見出しの切り抜きである。ただし、切り抜く言葉は五文字か七文字でなくてはならない。三つの言葉をうまく組み合わせて、五・七・五の川柳にするのである。アートユニット「淀川テクニック」の柴田英昭氏が考案したもので、台紙の上に言葉を貼り付けて表現するのが「コラージュ」と呼ばれる所以。当然、文字の大小や縦横、書体も揃わないことが多いが、これはかえって偶発的なおもしろさにつながる。

 「たかの友梨 期間限定 さかなクン」「バルセロナ 主なスポーツ 手延べそば」「ウォシュレット 直球自慢 穴あける」……。Twitterのハッシュタグ「#コラージュ川柳」では、日々センスあふれる作品が発表され続けている。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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