日国友の会



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やままたやま【山また山】

読者カード 項目 2016年10月24日 公開

2016年06月05日 monoさん投稿

用例:山また山の行末や、山また山の行末や、雲路のしるべなるらん。(舟橋)
『新日本古典文学大系57 謡曲百番』 1998年年 西野春雄校注
語釈:山が連続している様子。

コメント:徳富蘆花の「不如帰」には、以下の用例がありました。(バージニア大学HPより)一方は茫々(ぼうぼう)たる平原さ、利根(とね)がはるかに流れてね。一方はいわゆる山また山さ、その上から富士がちょっぽりのぞいてるなんぞはすこぶる妙だ。(一の三)都の花はまだ少し早けれど、逗子あたりは若葉の山に山桜(さくら)咲き初(そ)めて、山また山にさりもあえぬ白雲をかけし四月初めの土曜。(四の三)

編集部:これは、「また(又・亦・復)」の(一)〔副詞〕の(4)「「…また…」の形で同じ名詞を受けて、どこまで行っても、いつまでたってもその物がずっと続くさまを表わす」に相当しますね。例文がすべて「山また山」となっているので、別途見出しを立てた方が分かりやすいことは確かですね。用例も『和漢朗詠集』『太平記』以来の例が添えられています。

著書・作品名:新日本古典文学大系57 謡曲百番

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1998年年

著者・作者:西野春雄校注

掲載ページなど:605ページ

発行元:岩波書店