富士山が世界文化遺産に登録されることが6月22日に決まった。これにより富士山には、登山客が殺到するとみられ、自然環境や登山道周辺の保全整備などに費用がかさむことが想定される。
そこで静岡、山梨両県が検討しているのが入山料だ。保全費用の財源になるほか、入山者の抑制にもつながる。今年の夏山シーズン、5合目付近で試験的に任意で1000円程度を徴収する方針という。
さて、この1000円が妥当なのかどうか。
現状保全のためには「7000円程度は必要」という数字がある。それぐらい高めに設定しないと、入山者の抑制につながらないからだ。一方、国民からすれば「1000円程度にして、世界遺産に登録されても気軽に登山できる富士山であってほしい」ということだろうか。
環境省の調査によると、昨年の夏山シーズン、富士山の8合目から山頂を目指した登山者数は、約32万人。すべての登山者から徴収した場合、1000円だと3億2000万円、7000円だと22億4000万円の入山料が入る計算だ。