1:前述の内容を受け、その内容に誤りはない、即ち、その通りである、と断定する表現。
2:漫談家・長井秀和によって、2003年に大ブレイクした決め台詞。シュールな雰囲気を漂わせ、淡々と言うのがポイント、だった。
3:一度は死語となったはずなのに、最近の、とくに20代前半あたりの男女の口から何故かよく聞かれる相づち的に使用される台詞。

 「なるべく突っ込んだ話はしたくない」「お叱りや反論を受けたくない」「あまり自分の深い部分まで入ってきて欲しくない」といったメール世代の若者気質を反映し、自然と浸透していったものと推測される。理屈っぽかったり、説教臭い人の会話をとりあえず肯定することによって、その矛先を受け流す効果がある。早口で三回のやりとりのなかに一回くらい差し込むのがポイント。あまりに連発されすぎたら、相手はイラッとする。

[使用例]
上司「今の若いヤツらって根性が足りんよな!?」
部下「ですよね。間違いない!」 
上司「見た目ばか気ぃ使ってよ~」
部下「ふむふむ」
上司「すぐ“わからない”とか言ってくるしさぁ!」
部下「たしかに!」
上司「オマケに敬語もロクに使えねえし!」
部下「間違いない!」

 

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 米粉に薯蕷(じょうよ)を混ぜてつくる上用饅頭や、小麦粉とふくらし粉を混ぜた薬饅頭に、火焔宝珠(かえんほうじゅ)の焼き印を押したものである。京都では、11月を中心に行なわれる火祭を御火焚(おひたき)といい、神社では、神前で火を焚き上げて祝詞(のりと)や神楽(かぐら)を奏し、御火焚饅頭や新米でつくった三角のおこし、蜜柑などを供え、神様のこころをお慰めする行事が行なわれる。京都弁では御火焚を「おしたき」と発音し、蜜柑を神事の残り火で焼いて食べると、ひと冬風邪を引かないという言い伝えがある。この時期には、鍛冶屋や料理屋など火を使う人の火の祭りとして「ふいご祭」も行なわれるが、現代ではこれらは一つの祭りとして習合されつつある。

 京都は秋から冬にかけ、火にちなんだ数え切れないほどの祭りが行なわれる。御火焚の起源ははっきりとしていない。皇室で秋の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)は御火焚の一つといわれている。また、昔の人が太陽の力の弱まっていくこの時期に、火を焚くことで大地を暖め、新春の息吹を呼び起こそうとしたという説もあり、火の力に対し、人が寄せてきた信頼や信仰を表すものであるとも伝えられている。


火焔宝珠の焼き印を押した薬饅頭タイプの御火焚饅頭。


   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 発端は今年5月、東京ディズニーリゾート(TDR)内のホテルで、車海老と表記しながら、実際は値段の安いブラックタイガーを使用していたことが発覚、TDRの3つのホテルで計5つの食材偽装があり、ホテルの運営会社が当該料理を食べた人に1000円を返金すると発表したことからである。

 これを機に、阪急阪神ホテルズ、ホテルオークラ、ザ・リッツ・カールトン大阪などの有名ホテルや三越伊勢丹、高島屋、松屋といった老舗デパートなどが食材偽装を公表して、消費者のブランド信仰を裏切る悪質な“だましの手口”の実態が明るみに出た。

 トビウオの魚卵をレッドキャビア、牛脂を注入した成型肉をビーフステーキとして販売していたのに「偽装ではなくあくまでも誤表示」だと言い張っていた阪急阪神ホテルズ・出崎弘社長だが、返金希望者が殺到し、11月8日時点で支払額は3100万円を超え、総額は1億円以上になるといわれている。

 結局、出崎社長は辞任し、消費者庁は同社やザ・リッツ・カールトン大阪に景品表示法違反で立ち入り検査に入った。

 これで消費者はメニューの表示を信じて食事ができるようになるかというと、そうではないようだ。『週刊ポスト』(11/22号、以下『ポスト』)によると、景品表示法違反に問われたとしても行政法で措置命令が出されるだけで、刑事罰が下される不正競争防止法が適用される可能性はないという。

 食品表示を規定したJAS法がメニュー表記を対象にしていないため、ほとぼりが冷めればまたやり始める可能性は高い。では、だまされないためにどうしたらいいのか。『週刊新潮』(11/14号)では、和牛と成型肉を識別する方法を精肉店がこう教えてくれている。

 「10年ほど前から、農水省は国産牛に個体識別制度を導入しました。畜産農家で牛が生まれると、生後すぐに1頭ずつナンバーが割り振られ、DNAが検体ごとに採取される。そして肉屋もレストランも、和牛を使うメニューを提供する以上、この識別番号を店頭に掲げないと商売ができなくなった」

 したがって個体識別番号を店に明示しているかどうか、店側に尋ねればいいというのだ。

 しかし『ポスト』で書いているように「鮮魚」という表示は冷凍保存したものも含まれる。半年以上前に冷凍保存していても「旬のカキフライ」と謳ってJAS法にはひっかからない。「朝採れレタスのサラダ」と書いてあっても「今朝」と明記してなければ、何日も前に採れたものでも不当表示にならないようである。

 これでは何を信じていいのかわからなくなる。『ポスト』によれば伊勢エビは食材きっての“変装の達人”で、味の濃いソースをかけられたり、伊勢エビの殻の上にロブスターの身を入れられると素人では判断がつかないという。

 毛ガニと称して価格が10分の1程度のクリガニが代用品として流通している。ズワイガニも高級なのはオスのほうで、安価で味の劣るメスを酢の物や茶碗蒸しにして出すところも多いそうだ。

 フカヒレは、春雨などで安価につくられた“人工フカヒレ”が流通しているという。私が好きなフォアグラも悪質な別ものが流通していると、食品添加物評論家の安部司氏が語っている。

 「フォアグラは本来ガチョウや鴨の肝臓を肥大させたものですが、ニワトリのレバーペーストと脂を固めて作った偽物が出回っています。本物を何度も食べたことがない人には判別できないレベルです」

 結局、今回の騒動が炙り出したのは、日本人がブランドに弱く、本物と偽物を見分ける舌を持ち合わせていないという皮肉な“事実”である。よくいわれるように、目隠しをして高いワインと安ワインを飲ませたり、高級ステーキ屋とスーパーの肉を食べ比べさせると、多くの場合、安いほうが旨いという結果が出る。

 日本人の多くは味にカネを払っているのではなく、ブランドや雰囲気にカネを払っているのである。私のように、肴何でも250円均一の居酒屋で呑んでいれば、国産の食材が出てくることなどないから、舌は肥えないが本物かどうかに気をつかわなくていい。懐にもやさしいからトコトン酔える。でも、たまには本物のフォアグラが食べたいけどね。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 若者のあいだで、おじさんの代名詞的なヘアスタイル「七三分け」が人気だという。いまどきの七三は、サイドを刈り上げる、フロントを立ち上げるなど、アレンジが豊かだ。スーツ姿とラフなスタイルの両方になじむという「汎用性」もある。その流行ぶりは今年のカジュアルファッション誌をひもとけば明らかで、芸能界でも加藤浩次(こうじ)や伊勢谷友介(いせや・ゆうすけ)らが好んでいる。

 どういうわけか、上の世代にとって懐かしいスタイルが、ここにきて次々と復権している。カーディガンを肩にかけて巻く「プロデューサー巻き」は、かつてテレビ業界を席巻したことから命名されたものだが、いまでは女性の装いとしても珍しくない(「プロデューサー女子」なる言葉まで生まれた)。また、『あまちゃん』で松田龍平が演じたキャラクター「ミズタク」が掛けていたことから、丸眼鏡も支持を得ているという。七三に丸眼鏡、カーディガンを巻いたスタイルが、「おしゃれ」となる日が来ようとは。これらの流行は、「×年代ブーム」といった懐古の感覚とはあまり縁がなく、むしろ過去をまったく知らない世代が新しいセンスで取り入れているのが特徴といえるだろう。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 経済協力開発機構(OECD)が、2013年10月8日に発表した「国際成人力調査」(PIAAC: Programme for the International Assessment of Adult Competencies)で、日本は国別平均のトップになった。

 本調査は、2011年8月~2012年2月にかけて、OECDに加盟する24か国・地域の16歳以上65歳以下の男女(約16万人)を対象に今回初めて行なったもので、「読解力」、「数的思考力」、「ITを活用した問題解決能力」の3項目の習熟度を測定した。

 その結果、読解力と数的思考力で、日本はOECD平均を大きく上回って1位を獲得。ITを活用した問題解決力はOECD加盟国中10位だったが、総合では日本の成人が社会の適応能力がもっとも高いという評価を受けた。

 参加国全体にいえる傾向として、読解力も、数的思考力も学歴が高いほど能力が高いが、日本、オーストラリアなどの中卒者の能力はアメリカやドイツの高卒者よりも高いという結果が出ている。それは、若いころの学業期間がかぎられていても、その後の訓練しだいで社会で必要とする能力を身につけられることを物語っている。

 また、アメリカ、イギリス、ドイツなどでは、親の教育水準が低い子どもの読解力は、親の教育水準が高い子どもよりもはるかに低い。だが、日本、オーストラリア、スウェーデンなどでは、その差が小さく、教育政策しだいで能力の開発に大きな違いが出ることが証明されている。

 OECDがこうした調査を行なった背景には、先進国の中で、経済成長を促すためには労働者の能力を高める必要があるという認識が広まっているからだ。雇用され、高い賃金を得るためには、こうした能力を身に着けることが不可欠だ。しかし、OECDの事務総長アンヘル・グリア氏が「あまりにも多くの人が取り残されている」と指摘するように、効果的な教育と生涯学習の機会が与えられていないのが世界の実情だ。

 今回の調査でトップをとった日本も、諸外国に比べると教育費にかける公的支出は少ない。家庭の負担が重く、大学や大学院進学への家計支出は、OECD平均が30%なのに対して、日本は64.7%とワースト4位だ(OECD「図表でみる教育2012」)。親の経済力によって受けられる教育に差がつく今の状態が続けば、国際成人力調査のトップから転げ落ちるのは時間の問題だ。

 日本政府は、今回の調査結果に満足することなく、他国の状況を分析し、他山の石として、今後の教育政策や生涯学習のあり方に生かす必要があるだろう。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 「2013年8月21日、未来の希望へ、ロボットの第一歩です」。……国際宇宙ステーションを補給機「こうのとり」で訪れた宇宙飛行士が放った、最初のひとことである。飛行士の名前は「KIROBO(キロボ)」。身長約34㎝、体重1㎏の宇宙用ヒト型コミュニケーションロボットだ。東大先端研(東京大学先端科学技術研究センター)、トヨタ自動車などが参加した「KIBO ROBOT PROJECT」で、バックアップの地上用ロボット「MIRATA(ミラタ)」とともに製作された。

 孤独な宇宙空間で、ロボットはパートナーたりえるのか。「クール」なアニメーションが世界中で人気の日本は、どこの国よりも多くロボットと人が友だちになる過程を描いてきた。今回の実地データは、KIROBOが言うところの「未来の希望」を人類にもたらすかもしれない。11~12月には、来年3月に日本人最初の国際宇宙ステーション船長となる若田光一(わかた・こういち)氏と、日本実験棟「きぼう」にて対話実験を実施する予定だ。

 ちなみにKIROBOの開発は、我が国を代表するロボットクリエイターの高橋智隆(たかはし・ともたか)氏。氏のデザインは、日本最初のアニメとなった「鉄腕アトム」を彷彿とさせる、愛らしい曲線が特徴である。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 これも「アベノミクス」ということだろうか。安倍政権が長年続く「減反政策」を見直す。

 減反政策は「コメの生産目標を政府が決める生産調整」のことをいう。

 コメ余りが問題になってきた1970年代に導入された。コメの生産量を抑えることで価格の低下を防ぐ狙いがある。減反に応じた農家には10アール当たり1万5000円の補助金が支給されるなどの補償措置がある。

 本来、国内農業の育成・強化に狙いがあったはずだが、そうした所期の目的通りになっていないのは明らかだ。見直しは過去にも議論されてきたが農業団体や自民党農林族などの反発で実現していなかった。

 それにしても、なぜこのタイミングなのか。

 一つは、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉妥結への備えである。妥結すれば安い農産物が輸入されるため、減反政策を見直して、農業の大規模化を図り、生産性を上げて対抗する必要がある。

 もう一つは、衆参のねじれが解消し、次の国政選挙まで3年近くの時間があるため、票を持つ農業団体の反対論を気にせず政策転換の大ナタをふるえるからだ。

 政府は2018年度までに減反政策を廃止したい考えだが、零細農家、兼業農家はコメ作りから撤退せざるをえなくなるだろう。机上で経済合理性の物差しだけで政策を行なってはならない。雇用対策や転作指導など農業現場へのしっかりとした配慮が求められる。

 

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


<<前へ       次へ>>