手錠でカップルがお互いをつなぐ、靴を脱いで廃屋に入る......。東京ドームシティアトラクションズが毎年夏に企画する、個性あふれるお化け屋敷だ。それを仕掛けているのが五味弘文(ごみ・ひろふみ)氏。お化け屋敷プロデューサーとして、2012年で20周年を迎えるドームシティの「作品」のみならず、自身もクリエイターとして注目を浴びている。モニター越しのゲームでは得られないライブ感は、演劇畑出身の氏の演出の魅力。「現代人が何を怖がるか」に関しすぐれた感覚を持つ。「お化け屋敷プロデューサー」の言葉が多くのメディアに取り上げられる状況は、あらゆるエンタメ分野が専門性を獲得した現代らしい。
お化け屋敷の進化はいまや全国に波及している。山口県宇部市では2011年、商店街で市民らが「歩行距離が世界最長のお化け屋敷」を展開し、地域の活性化につながったという。