しなびかかった野菜が、50度前後の湯で洗うと鮮度が復活する。そんな不思議な「50℃洗い」が話題となっている。蒸気工学の専門家としてテレビ出演も多い平山一政(ひらやま・いっせい)氏が考案した。50度のお湯で葉の表面にある気孔が開いて、水分を取り込むという理屈らしい。氏は野菜を低温で蒸す「低温スチーミング」を長年にわたって研究しており、その過程で“発見”した現象である。
特に葉野菜でその効果はてきめんだ。水で洗うよりも汚れが落ちやすい、アクも消える、などといった多くのメリットも指摘されている。食材が美味しくなるという意見まである。野菜だけではなく、肉や魚にも有効とされるが、これは臭いのもとになる脂分が50度前後で洗うとうまく抜けるから。ただし野菜とは違ってその後の保存はきかず、早めに調理する必要があるという。