ジェネリック医薬品は、特許切れの先発品と同じ有効成分で作られた後発医薬品だ。通常、新薬の開発には長い年月を要し、300億~1000億円の経費が投じられるため、医薬品メーカーは特許を出願し、20~25年はその薬を独占的に製造販売する権利を得る。ただし、特許期間終了後は人類共通の財産として、誰でもその薬を作れるようになる。すでに公表された有効成分で作るので、ジェネリックの開発費は1億円程度で済み、日本では先発品の2~7割の価格で販売されている。
ジェネリックは、投与後の血中濃度の検査などから先発品と同等の効果をもつことが確認されている。しかし、主成分が同じでも添加物や製法上の違いから溶け方などが異なり、先発医薬品と完全に同じとは言い切れない面もある。ジェネリックの品質を再評価する「オレンジブック」も発行されているが、いまだ品質や効果に疑問をもつ医師や患者もおり、日本では諸外国ほどジェネリックが普及していない。医療費削減のために、国は2012年度中にジェネリックの使用割合を全体の30%以上に引き上げることを目標としている。2012年4月~6月のジェネリックのシェアは25.3%まで伸びているが、さらなる普及を目指すには、ジェネリックの効果や副作用などの情報をわかりやすく提供していく必要がある。