パソコン一台で高度な仕事がこなせる現代では、従来型のオフィスは必ずしも労働の実情やコストにそぐわない。また場所を選ばずに仕事をするノマドワーカー(ノマド=nomadは「遊牧民」の意味)も注目されている。そんなワークスタイルのよりどころとなっているのが「コワーキングスペース」。coworkingとは「co(共に)working(仕事する)」ということ。デスクのほかに受付やミーティングルームなども備え、スペースを共有する。アメリカ発だが、いまや日本を含め世界の都市に広がりつつある。
いわゆるレンタルオフィスと違うのは、仕事をする場所が個室ではなく、あくまで開放された「スペース」であることだ。自宅でも仕事可能なフリーランスが多く利用しているのは、閉じた空間で孤独に陥るよりも、お互いのクリエイティビティを刺激する空間となり得るから。たまたま出会った異業種の人と、思いもよらないコラボが生まれることもある。起業家の出発点となることも多い。