まるでディザスター(災害)映画の一場面だが、それは現実の事件だった。2013年2月15日、ロシアのチェリャビンスク州上空を隕石が突っ切っていくさまは、現地から動画サイトに次々とアップされ、世界中に衝撃を与えることになる。落下した湖・チェバルクリ湖から「チェバルクリ隕石」として国際隕石学会に申請されていたが、その後、新たな隕石のかけらが次々と発見され、それが州の広い範囲に及ぶことから、名称は「チェリャビンスク隕石」に決まった。
ロシア科学アカデミーによれば、分解直前の 隕石の質量は推定10トン。都市部への直撃はまぬがれたが、衝撃波によって建物の窓ガラスなどが割れ、1200人以上の負傷者が出た(報道によると、幸いなことに死者はいなかった)。被害総額も10億ルーブル(約31億円)を超える見通しだという。記録に残るかぎり、隕石による被害としては類を見ない。今回は特に日中の出来事であり、このような落下を早い段階で観測して対処するのは現実的に難しいという。自然、そして宇宙の猛威に対して、人類はまだまだ非力なのかもしれない。