人気グループ・AKB48は、専用劇場を持ち、「会いに行けるアイドル」というコンセプトがある。ところが昨今のブレイクで、テレビで活躍するメンバーを実際に目にする機会が減っている。そこで、「握手会」というシステムだ。AKB48のCDの初回プレス分には、握手会の参加券が封入されていて、売り上げに一役買っている(ときにこの商法が音楽関係者から批判を浴びるのだが、アイドルとファンの関係としては明快ではある)。
握手会はメンバーにとって大事なファンとの交流の場であると同時に、自分をアピールするチャンスでもある。ファンに対するフレンドリーさは、口コミで広がって新たなファンの創出に結びつく。ほんのわずかな時間で「どうしたら相手に喜んでもらえるか」を意識したその「技術」たるや、まさに接客業のプロで、彼女たちの若さを考えるとそら恐ろしい。このようなみごとな対応が「神対応」。
一方、誰もが器用になれるわけではなく、どうもコミュニケーションのスキルが低い者もいる。こちらは「塩対応」といってあまり好まれないが、熱烈なファンが「これはこれで応援したくなる」とフォローするのが定番だ。ちなみに、この用語を一般の接客対応に対する評価とする場合もある。「あのコンビニの店員、塩対応だったね」などと使うわけだ。