日本政府が主導して開いている国際会議。5年ごとに開催し、アフリカ地域の開発、支援などについて幅広く協議する。
5回目となる今回は2013年6月1~3日の日程で横浜市においてアフリカ51か国が参加した。
TICAD(ティカッド)の初会合は1993年のことだが、地理的にも遠いアフリカの支援に、なぜ日本が乗り出したのか。
背景には、当時、国連改革の議論が盛んで、日本が常任理事国入りに向けて熱心に運動していたことがある。アフリカは国連加盟国が多く、国連総会では大票田だ。そこで日本は、支持票集めのために支援に打って出た、というわけだ。話し合うテーマは主に貧困や飢餓、紛争問題、エイズなどの感染症対策などだった。
しかし、21世紀に入り、TICADの性格は変わりつつある。アフリカ大陸が埋蔵する石油や天然ガス、レアアースなどの天然資源が注目されているからだ。
市場としてもアフリカは魅力がある。人口は現在約10億人だが、増加率が高く2050年には22億人を超えるという推定もある。まさに潜在的な巨大市場であり、アジアに続く「世界の成長センター」になると期待されているのだ。
そうしたアフリカに食指を動かしているのは日本だけではない。とりわけ熱心なのは中国だ。首脳級が何度も足を運んで外交活動を活発化させ、投資総額も500億ドルに迫る勢いだという。