いま女性に流行中の「ペプラム」とは、ウエスト部分から広がった短いフレアやフリルをさす。比較的シンプルな装いにアクセントを付け、お腹やヒップといった気になるラインもカバー(なんといっても、これが重要?)。それでいて女らしい品も出るので、世代を問わない人気もうなずける。細身のスカートなどと合わせるのが普通だが、最近では着こなしも多様化。スカートやパンツ自体にペプラムがあるものも増えている。
雑誌などでは古代ギリシャの女性が着た「ペプロス」が語源と紹介されるが、これは漫画などで知らないうちに目にしていることも多い「長衣」なので、現在のスタイルとは遠いかもしれない。ペプラムのようなシルエットがバスク人(ヨーロッパのピレネー山脈を中心に独特の文化をはぐくむ民族)の衣装に見られることから、フランスでは「バスク」と呼ばれることもある。新しい流行というより実はリバイバル。1940~50年代に婦人服業界を席巻した。当時のファッション誌をひもとけば、上品そうなマダムのペプラムをそこかしこに確認できる。