「泣いてスッキリする」「泣くのをこらえてストレスをためる」、これらは思いのほか「科学」に基づいた現象らしい。涙を流すことは「交感神経から副交感神経にスイッチする」ことにあたるという。交感神経は、仕事の活動中や、不安などのストレスを抱えているときに働いている。一方、リラックス時には副交感神経が働き、重要な癒やしの時間となる。この切り替えを意識することが、ストレスフルな日常を突破するカギだ。
「涙活」とは、公式ホームページによれば「1か月に2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動」。提唱者は、以前にこのコーナーの「各停女子」のときにも紹介した寺井広樹(てらい・ひろき)氏だ。泣ける映画を、面識のない者どうしで集まって鑑賞するといったイベントを開催している。
どうも昨今のエンターテイメントは「泣かせよう」というあざとい演出が多いし、人前で泣くのが恥ずかしいという美意識はなかなかぬぐえないかもしれない。だが身体の緊張状態を緩めるには、「涙活」が有効な手段であることもまた事実といえそうだ。