女性誌『AneCan』(小学館)の読者には常識的な言葉だが、文で説明しようとするとなんとも難しい。目はナチュラルな上目づかいでパッチリと見開いた感じに。口はキスする直前のように少し開いている(「ちゅん」には「ちゅっ」のニュアンスが入っているかもしれない)。女性には「モデルの押切(おしきり)もえがよくしているキメ顔」で通じる。業界用語の常(つね)で語源が判然としないが、「ちゅんとすました表情」ということから「ちゅん顔」とよく説明される。
スマイルでないのに女子らしさを感じるところに人気の秘密がある。『AneCan』の読者層は『CanCam』を卒業した20代後半~30代。社会においても、かわいらしい笑顔だけではごまかしがきかない年齢に差し掛かっているといえそう。「お姉さん」になった彼女たちには、少しだけオトナなキメ顔が支持される。しかしそれは、「ツンとすます」冷たさではなく、あくまで柔らかさを残し「ちゅんとすます」ものなのだ。