なにもかも受け入れそうな懐の広さを感じるということだろうか。一部の女子のあいだで「お坊さん」がブームである。2012年3月には、イケメンの「草食」ならぬ「僧職系男子」を集めた『美坊主図鑑』(廣済堂出版)が出版された。お酒を飲みつつ悩み相談ができる「坊主バー」も人気となっている。
その一方では、現実的には仏門の世界も「出逢い」が少なく、「嫁不足」に悩んでいる。そこでさらなるユニークな動きが登場。独身の僧侶と女性たちが語らうイベント、いわば「坊コン」である。2013年6月、新潟県三条市の真宗大谷派三条別院で行なわれた坊コンでは、女性の定員がすぐに埋まる人気に。婚活を業務とする地元企業が参画し、目新しさだけに終わらなかったためか、一地方のイベントをこえた話題となった。
女性たちは、落ち着いた男性に癒やされたい。僧侶たちは、法事ぐらいでしか縁のない仏教を少しでも世俗の我々に理解してほしい。こうした双方の想いがかみ合っているのが、いまどきの坊主ブームであろう。