復興特別法人税は、東日本大震災の復興財源に充てている臨時増税のうち、企業に課税しているものをいう。2011年に起きた東日本大震災の復興財源に充てるため、12~14年度の時限措置として民主党政権が導入した。安倍自公政権はこれを1年前倒しして、13年度末で打ち切ることを検討している。
名目は、14年4月からの消費税の8%への引き上げに伴う経済対策として、だ。与党の公明党内には反対論がくすぶっているが、年内中に結論を出すという。
懸念すべきは、13年度末で廃止することになれば、9000億円の税収減が生じるということだ。政府は、景気回復に伴う13年度税収の上ぶれ分で補うとソロバンをはじいているが、国債増発で穴埋めせざるをえなくなる可能性は否定できない。
「個人に増税を迫る消費税引き上げへの対策で、企業に法人減税を実施するのは不公平だ」との批判もある。
政府は復興特別法人税の廃止について「経済成長を賃金上昇につなげることを前提に検討する」としている。不公平論に対し、「企業がもうかって、その分、給料が増えるから、それに期待してもう少しがまんしろ」と釈明しているようにも聞こえる。