NHK経営委員会5委員の人事が11月8日、衆参両院で同意された。うち新任4人には安倍首相に近い人脈が起用されたことで、来年1月で任期が切れる松本正之NHK会長(元JR東海副会長)は交代する可能性が強まったという。
NHK会長は、NHKの最高責任者で、その任期は3年である。歴代会長は、NHK職員出身者だけでなくマスコミ界、経済界、官界などからも起用されてきた。その人事は、浜田健一郎経営委員長ら経営委員12人のうち9人以上の賛成で任命される仕組みだ。すなわち、4人が反対すれば選任されない。
複数のメディアによると、安倍政権内には「原発や米軍のオスプレイ沖縄配備を巡る問題でNHKの報道内容が偏っている」との不信感があり、経営刷新を求める声が募っているという。新任の4人がどう動くか不明だが、その存在が、これまで続投に意欲を示してきた松本会長に大きなプレッシャーとなっているのは間違いない。
今回の経営委員の同意人事について、野党からは「公平中立を旨とするNHKの放送に何らかの影響が及ぶのではないか」(吉田忠智・社民党党首)などの批判がある。
経営委は12月下旬までに後任を決めたい考え。経済人を念頭に人選が進められるという。