「恋」とつく駅名は全国に4つしかないという。JR北海道の母恋(ぼこい)駅、三陸鉄道の恋し浜(こいしはま)駅、西武鉄道の恋ヶ窪(こいがくぼ)駅、智頭(ちず)急行の恋山形(こいやまがた)駅である。これらの駅を持つ鉄道会社が、連携して地域の活性化を図ろうという企画が「恋駅プロジェクト」だ。2012年に立ち上がった。
4駅の一つ・鳥取県の恋山形駅は、智頭急行のHPによれば、乗降客数が1日2人ほどという地味な駅だった。それが「恋駅プロジェクト」への参加をきっかけに「恋」のイメージを前面に押し出し、2013年6月9日、駅舎をピンク色にリニューアル。地域の恋愛スポットにしようと様々な試みをしている。ちなみに智頭急行智頭線の沿線は、宮本武蔵生誕地の碑などの史跡群が「ウリ」であった。やっていることは、なんだか駅の性差が逆転したかのようだ。
プロジェクト最初の企画となったのは、2013年のバレンタイン前に行なわれた「日本に4つ 恋の駅きっぷ」。乗車券・入場券を台紙とともにセットで販売、4駅の台紙はそれぞれ絵でつながるようになっていた。話題性もあってすぐに完売するという順調なすべり出し。今後もいろいろと企画を打ち出していく方針という。