文字通り、「共にはかりごとを巡らした時」に処罰を科す規定。テロ集団やマフィア、暴力団などによる国際的な組織犯罪を未然に防ぐことに狙いがある。
2000年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」は、各国に対し、懲役・禁錮4年以上の重大犯罪にこの共謀罪を設けることを義務づけている。日本は同条約を03年に国会承認したが、共謀罪の創設を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正案」は野党の反対で3回も廃案になっている。
衆参のねじれ解消を受け、政権与党内には再び同改正案の国会提出を模索する動きがある。東京五輪の2020年開催が決まり、テロ対策をこれまで以上に強化する必要があるからだ。
ただ、日弁連などは「監視社会を招く」として共謀罪に反対。謀議・計画したものの未遂に終わった場合も罪を問われる可能性があることから、国民の間にも不安視する声が少なくない。