2013年12月1日に改正道路交通法が施行され、自転車ルールも変更された。背景にあるのは自転車関連事故の増加で、悪質運転への罰則が強化されたのだ。
自動車対歩行者の交通事故は、2001年の7万1737件から2011年の5万5284件に減少しているのに対して、自転車対歩行者の事故は1807件から2801件へと増加している。全交通事故に対する自転車関連事故の割合も2割を占めている。そこで、事故防止のために新たに作られたのが次の2つの自転車ルールだ。
○警察官による自転車のブレーキ検査(第63条の10、第120条)
競技用などでブレーキが備わっていなかったり、ブレーキに不備のある自転車による死亡事故や重傷事故を防止するために、警察官による検査、運転継続の禁止が命令できるようになる。
検査拒否・命令違反をした場合は、5万円以下の罰金。
○路側帯通行を左側に限定(第17条の2)
これまで、自転車で車道の路側帯を走るときはどちら向きでも構わなかったが、自転車同士の衝突や接触事故を避けるために、自転車などの軽車両が通行できる路側帯は道路の進路左側部分に設けられた路側帯に限定された。
逆走すると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金。
歩道を自転車で通行する場合は、どちら向きでもいいが、車道寄りの部分を徐行運転し、歩行者の進行を妨げないようにしなければならない。時折、ベルを鳴らしながら「どけどけ」と言わんばかりに、我が物顔で歩道を走る自転車を見かけるが、あれはマナー違反というより法律違反。
道路交通法上、自転車は軽車両という位置づけで、道路標識・表示に従う義務がある。また、ライトがついていなかったり、後部反射板などが備えられていない自転車も乗ることは禁止されている。
昨今の自転車ブームもあり、2011年は自転車関連事故による死傷者数が14万3738人も出ている。「たかが自転車」と甘く見ていると、大きな事故を起こす可能性も否定できない。一方、無理な追い越しをしたり、路側帯を走る自転車に幅寄せするなど自動車のマナー違反も指摘されており、自転車ばかりを責められない場面もある。誰もが気持ちよく運転するために、今回の法改正を機に自転車だけではなく、自動車の運転でもルールを守り安全運転を心がけたい。