日本経済団体連合会(経団連)の次期会長に東レの榊原定征(さだゆき)会長が内定した。6月に就任する予定だ。
経団連は戦後間もない1946年に設立。2002年には日本経営者団体連盟(日経連)を統合し、現在に至っている。加盟企業は東証1部上場の大企業を中心に約1300社。
経団連は「財界総本山」として政策提言などで政府与党に対し、経済界の要望を伝え、その実現を図ってきた。トップである経団連会長は「財界総理」と呼ばれてきた。
ただ、近年は地盤沈下が著しい。かつては自民党への企業献金をあっせんしていたが、90年代半ばに中止、その結果、政治への影響力に陰りが出たからだ。産業構造の変化により、経団連の主要メンバーである製造業の地位が下がったという側面もある。
榊原氏は2期4年の間、財界のリーダーとして君臨する予定だという。日本経済はデフレ脱却に向け動き始めており、安倍政権は経済界に対し、雇用や賃上げで配慮するよう求めている。榊原氏はどんな指導力を発揮するのか。