華々しくブレイクとは言い切れないが、ジワジワと知名度を増しているキャラクタービジネスがある。アニメ作家の内山勇士(うちやま・ゆうじ)氏が生み出した『紙兎ロペ』だ。もともとはシネコン「TOHOシネマズ」で、映画本編の上映前に流れていたショートムービーだった。現在、内山氏は製作から離れているが、この当時が特におもしろかった!というファンは多い(ちなみに、当時は全キャラの声優もひとりで担当していた)。2012年には長編映画となり、その後はフジテレビ系の朝の番組『めざましテレビ』で放送。同局の夏のイベント「お台場新大陸2014」では「紙兎ロペまち商店街」というコーナーが設けられるなど、なかなかプッシュされているようだ。
主人公の紙兎「ロペ」や紙リス「アキラ先輩」は、かわいいキャラらしからぬ「葛飾の高校生」。ダイナミックな話の展開は存在せず、舞台は地元の街角から一歩も動かない。ほぼ全編が動物たちの「えっ?マジっすか?」といった雑でゆるい会話に終始する。どこがおもしろいのか?を文で表現することが、じつに難しいコンテンツなのだ。あえて言うなら、バス・電車やファミレスで耳に入ってくる、見知らぬ若者たちのだらだらしたトーク。別段聞きたいわけでもないのに、くだらなくて思わず吹き出しそうになる……、そんな感じだろうか。醸し出す「空気感」が笑いのキモであり、秀逸なセンスである。
主人公の紙兎「ロペ」や紙リス「アキラ先輩」は、かわいいキャラらしからぬ「葛飾の高校生」。ダイナミックな話の展開は存在せず、舞台は地元の街角から一歩も動かない。ほぼ全編が動物たちの「えっ?マジっすか?」といった雑でゆるい会話に終始する。どこがおもしろいのか?を文で表現することが、じつに難しいコンテンツなのだ。あえて言うなら、バス・電車やファミレスで耳に入ってくる、見知らぬ若者たちのだらだらしたトーク。別段聞きたいわけでもないのに、くだらなくて思わず吹き出しそうになる……、そんな感じだろうか。醸し出す「空気感」が笑いのキモであり、秀逸なセンスである。