今年8月8日に全国公開された大ヒット上映中の映画『STAND BY ME ドラえもん』を観て思わず号泣するさまをこう呼ぶ。

 今回のドラえもんは、子どもだけではなく、むしろ大人をターゲットにつくられたフシがあるようで、どちらかと言えば「ドラ泣き」するのは成人層のほうに多いのだそう。

 筆者は8月某日の平日昼間、一人で鑑賞に。まだ夏休み中ゆえ、当然子ども連れのファミリーがメインだったが、そんななか、20代から筆者より明らかに年輩の60代まで、幅広い年齢層の男性一人客もけっこう目立っていた(本当)。おそらく、彼女や家族などに涙を見られるのが恥ずかしいから、誰にも内緒で一人「ドラ泣き」しにきたものと思われる。

 そういった“人前では決して泣かない”的なダンディズムを信条とする「こっそりドラ泣き派」の御仁には、ぜひともサングラス持参をおすすめしておきたい。ハンカチーフで涙はふけても、赤く充血した眼はしばらく誤魔化せないからである。

[類似語]腐ったミカンの方程式泣き(ドラマ「3年B組金八先生」)・がんばれ元気泣き(ボクシング漫画)・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ泣き(映画)

[反意語]号泣議員
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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