世界中のスイーツが、新しいトレンドとして次々と紹介され、おそらく甘味に対して貪欲と思われる日本。それでも、いまだ知名度がないブレイク予備軍は多い。昨年あたりから徐々に人気が高まっている「アントルメグラッセ」もその一つ。ヨーロッパではすでにおなじみの味で、夏だけではなく、通年で食べられているという。フランス語で「アントルメ」はケーキ、「グラッセ」は「アイスクリーム(グラス)の~」という意味で、凍ったフルーツやアイスでしつらえたデコレーションケーキを指す。

 日本におけるアントルメグラッセは、2013年にオープンした東京・表参道「GLACIEL(グラッシェル)」の存在なしに語ることはできないだろう。北海道の洋菓子店「LeTAO(ルタオ)」で知られるケイシイシイが展開する。まだまだ「新顔」の扱いを受けているアントルメグラッセの専門店として、業界を牽引しており、雑誌やメディアでの紹介も多い。この夏を経て、「一年中食べられるアイスケーキ」の文化は着実に根付きつつあるようだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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