「ゴルフ場利用税」はゴルフ場を使った人に課税される地方税。その税額は都道府県がゴルフ場ごとに決める。1日あたり数百円から1200円。その3割が都道府県、7割が市町村の収入になる。

 ゴルフ場利用者にはかつて「娯楽施設利用税」が課税されていた。それが消費税導入(1989年)の際に、ゴルフ場利用税に形を変えた。ゴルフ業界が「消費税との二重課税だ」として廃止論を唱えている。

 見直しをめぐる発言が飛び出したのは、2014年11月4日の参院予算委員会でのことだ。野党議員の質問に対し、ゴルフ好きで知られる安倍晋三首相が「(プレー代金に占める利用税の)比率が高くなっているのは事実だ。高市早苗総務相とも相談しながら検討したい」と応じた。下村博文文科相も「生涯スポーツであるゴルフの振興を考えると廃止すべきだ」。麻生太郎財務相も「消費税率が10%に上がれば地方税収が増える。(廃止する)一つのタイミングとして良い感じがする」と廃止に賛同する答弁が続いた。

 スポーツを所管する文科相はもちろんだが、首相や財務相が廃止に前向きな姿勢を示したため、ゴルファーたちは廃止論にがぜん注目しているのだ。地方税を所管する総務省は「ゴルフ場は山間部に多い。アクセス道路の整備や維持管理が必要だ。重要な財源だ」(高市早苗総務相)とし、反対の立場だ。

 長引く不景気でゴルフ場の閉鎖が相次ぐ。かつては1000億円にのぼった税収総額も2012年度は507億円まで減っている。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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