「双子コーデ」は双子がするファッション、ではない。友だちどうしで、まるで双子のように同じコーディネートをすること。女子高生など若い世代のあいだで人気とされる。「カワイイけれど、一人で着て歩くには抵抗がある」服を「共犯関係」で着るところも楽しいという。ファッション好きは「目立ちたい」気持ちがある一方で、アンビバレンツな恥ずかしさの気持ちもある。ふたりならば、一歩踏み出すことができるというわけだ。

 また、「仲良しアピール」という側面もある。おそらく、すてきな異性と歩く誇らしさに近いのかもしれない。仲の良い友だちとお揃いのコーデで出歩くことは、自分たちは(街をゆく皆よりも?)すてきな友人関係を築いているという一種の表現、パフォーマンスなのだ。

 「テンションがアガる」双子コーデは、イベントごとと相性がよい。たとえば、大都市圏のハロウィン。2014年は「双子の」ゴーストや魔女がひときわ目立った。また「サンリオピューロランド」では、10~12月期に「双子コーデ割引き」なるキャンペーンも行なわれた。これはハローキティと妹のミミィが双子であることを活かした、目のつけどころがよい企画だったといえよう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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