人気モデルのミランダ・カー、歌手のマドンナなど、ハリウッドセレブが愛用していることで話題となった「スーパーフード」。

 1980年代に北米で食事療法を行なっている医師によって使われるようになった言葉で、一般の食品に比べてビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素を多く含む、おもに植物由来のものを指している。一部の栄養価や健康成分は突出しているが、その多くは低カロリーなので、健康を維持しながら効率よくダイエットができると注目を浴びているのだ。

 たとえば「チアシード」は、シソ科の一年草の種で、メキシコを中心とした南米が原産国。ゴマより少し小さめの灰色の粒で、水分を含ませると10倍くらいに膨らみ、プルプルとしたジェル状になる。チアシードには、タンパク質、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分などが含まれているが、なかでも豊富なのが、今話題のオメガ3脂肪酸だ。

 オメガ3脂肪酸には、コレステロールや中性脂肪を下げたり、脳の働きをよくする働きがあると言われており、動脈硬化や高血圧予防のほか、認知症やうつ病の予防にも効果が期待されている。

 また、チアシード大さじ1杯でレタス300g分とほぼ同量の食物繊維が摂取できるので、便秘の予防にもなるという。

 そのままでは味がないので、ヨーグルトやジュースに入れたり、アーモンドミルクや豆乳に入れてデザートを作ったりして食べる人が多いようだ。

 チアシードのほかに、スピルリナ、アサイー、ウコン、ソバ、キアヌ、カカオ、麻の実、生ハチミツ、アーモンド、ココナッツなどもスーパーフード。ブームの到来によって、百貨店や高級スーパーなどでは、手軽に手に入るようになっている。

 とはいえ、過ぎたるは及ばざるが如し。

どんなに健康によいと言われるものでも、食べ過ぎたり、バランスの欠いた食べ方をしたりすれば、せっかくのスーパーフードも力を発揮させることはできないだろう。

 カレーのスパイスに使われるウコン(ターメリック)は、肝臓の働きを助けてくれるが、もともと肝臓に病気のある人などが大量に摂取すると思わぬ健康被害を巻き起こすこともある。

 スーパーフードは、たんにブームだからと飛びつかず、もともとの自分の体調なども考慮し、そのほかの食品とのバランスも考えながら上手に摂りいれるようにしたい。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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