おおよそ漢字の読み方が想像できない、マンガのキャラクターのような「キラキラネーム」。それなりに「時代におけるセンス」として世の中に受容されている感があるが、親のエゴとして揶揄されることも多い。ただ、キラキラをことさらに嫌いすぎるとどうなるか。女性なら「○○子」といったような、少し「古い」感覚で我が子を命名してしまうのである(と、説明されることが多い。筆者本人は、「○○子」が昔っぽいと感じたことはないので念のため)。最近はこんな名前を「シワシワネーム」と呼ぶらしい。

 もちろん、それが親にとって好みの名前なら何の問題もないわけで、「シワシワ」というきつい表現は「キラキラに対する拒否反応から、親本人でも古風と思う名前をうかつにつけてしまう」ことを皮肉っているのだ。とにもかくにも、他人様の顔色をうかがいがちな日本社会で、子どもの命名はややこしい。無難な名前をつけたつもりなのに、シワシワネームにくくられてしまうこともあるのだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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