以前に「コトバJapan!」(「フローズンスモア」)で紹介した「クロナッツ」、あるいはファミレスのデニーズが推している「ポップオーバー」などのように、最近はアメリカ発のスイーツの勢いが強い。これに続くものとして期待されているのが、台湾発のスイーツである。

 その人気は2014年、台湾の人気店が続々と東京に進出したことから顕在化した。パイナップルケーキ専門店「サニーヒルズ」、マンゴースイーツ専門店「マンゴーチャチャ」などは代表例。マスコミにもよく取材されている。また、タピオカミルクティー発祥のカフェ「春水堂(チュンスイタン)」では、2015年4月から「台湾版豆乳プリン」といえる「豆花(トウファ)」の販売を開始。地元では庶民的な味といえる「豆花」が日本人向けに登場したことは、いよいよ台湾スイーツも「浸透」の段階まで来た感がある。

 こうした動きは、日本人女性たちのあいだで「スイーツの名店巡り」が台湾旅行の重要なファクターになっていたことと無縁ではないだろう。台湾スイーツの豊富な種類と味わいは、まずはSNSなどの「口コミ」で評価が広がっていった。これが日本への進出を検討するきっかけになったことは想像に難くない。

 2015年4月には、台湾で一大ブームとなった「マンゴーかき氷」発祥の「アイスモンスター」が表参道に日本第1号店をオープンした。この夏のスイーツ戦線の目玉となりそうである。台湾スイーツにはまだまだ伸びしろがありそうだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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