上の世代には「ビートルズが流行させたヘアスタイル」として認識されている「マッシュルーム(カット)」。最近では毛先を削いで軽くした「マッシュボブ」も人気で、ミュージシャンやクリエイターなど、文化系男子に多い髪型である。昨今のショートヘア人気、あるいは小顔に見える効果からか、女性のあいだでも増殖中。親しみを込めて「きのこ」と称されることも多い。

 男子のマッシュヘアは流行りの「塩顔」にハマるので、女子からの支持も高い。最近の芸能界に多くなった、黒髪のイケメンにもよくなじんでいるといえるだろう。前髪をアップにすれば、ビジネスシーンなどにもふさわしい。

 多様性があるマッシュの中でも、最近のおしゃれ男子のあいだでキーワードになっているのは、「クラウドマッシュ」だ。「クラウド」とはもちろん雲のことで、マッシュヘアに雲のようなゆるふわ感を加えたものを指す。毛先がウェービーでも、派手さが抑えられ、長髪にはない清潔感がある。また、中性的な雰囲気も出るので、キャラクターとしてとっつきやすい印象につながるはずだ。アレンジしだいで誰にでも似合うマッシュの人気は、まだまだ続きそうである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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