口を半開きにして、歯をチラッと見せるポーズ、表情のこと。2007年に女優のキーラ・ナイトレイ(30)が披露してから、徐々に拡散し、現在はハリウッドで大流行中なのだそう。

 英語では「fish gape」と呼ばれており、日本でも、口先を突き出してアヒルのくちばしのような唇をつくる「アヒル口」の次に来る「口」だと予測されている。

 「アヒル口」はやり過ぎると「わざとらしい」と捉えられがちだが、「魚口」はより自然なのでそういう批判も受けにくい……との声もあるが、“自然”なぶん、一歩間違えれば単なる「アホの坂田のモノマネ」にもなりかねないので、誰がやってもそこそこ可愛く見える「アヒル口」より“キメ顔”として使用するには難易度が相当高いと筆者は考える。

 とりあえず、「前歯がキレイ」なのは絶対条件。あと、口を半開きにするということは、結果的に顔の輪郭が1~2㎝長くなることを意味するので、小顔であるほうが望ましくもなってくる。

 さらに、「自然に半開かれた口」とのミスマッチを避けるには、必然的に「目もキリッとじゃなくトロンとさせなければならない」わけだが、焦点の合っていない遠くを見つめるような目つきは、「なにか非合法なモノに手を染めた危ないヒト」と他人の目には映る可能性もなくはないので、充分の注意を促したい。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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