近年日本進出が相次いでいる海外の有名ファストフードブランド。なかでも海外ツウのグルメライターたちの評価を受けているのが、ニューヨーク発のハンバーガーショップ「シェイクシャック(Shake Shack)」である。すでに世界各国で展開されており、2015年11月、東京都・明治神宮外苑内にも日本1号店がオープンした。その緑に囲まれた立地は、マディソンスクエアパークに誕生した本家アメリカの店舗に近いものだ。

 オーストラリア産のアンガスビーフ100%の「シャックバーガー」が看板メニューである。ホルモン剤をまったく使わず、近年のファストフード界におけるヘルシー志向が反映されている。また、昨今は1000円以上もするぜいたくなグルメバーガーが人気だが、シャックバーガーは680円と、有名チェーンのプライスとグルメバーガーのあいだぐらいといったところ。その他のメニューも安くはない一方で味のこだわりが感じられ、店舗の雰囲気込みで満足度は高いだろう。「ハンバーガー界のスタバ」という異名は、価格帯や店構えのニュアンスをよくとらえている。ちなみに、同店はスターバックスと同じサザビーリーグが日本展開を仕掛けた。

 シェイクシャックはアメリカにおいてマクドナルドをおびやかす勢いを持ち、「マックキラー」とも呼ばれるそうだ。業界の「巨人」であったマクドナルドもいま、大量生産・大量消費というビジネスモデルが見直されている。これはアメリカや日本だけでなく世界的な傾向である。ファストフードは、値段をそれなりに抑えつつ高品質を実現しようとする時代に差し掛かっているのか。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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