筋肉や骨、内臓など身体のパーツを全身タイツのように包みこんでいる(わかりやすい例だと、鶏肉の皮と筋肉の間にある薄い膜)「筋膜」は、コラーゲンとたんぱく質でできているので、年齢を重ねるごとに筋肉と癒着してしまい、それを放置したままだと

・身体が歪み、姿勢が悪くなる
・リンパが詰まり、体液が滞り、老廃物が排出されず、代謝が悪くなる
・筋肉の可動域が狭くなり、脂肪が燃焼されず、太りやすくなる

……など、さまざまな悪影響を身体に及ぼすのだそう。

 その癒着した筋膜を剥がす「筋膜リリース」という施術は、ダイエット・美肌・セルライト(脂肪と老廃物のかたまり)防止に高い効果を望める最新の健康法である、らしい。

 昨今、日ごとに「最新の~」という修飾語を売りにする、さまざまな健康法をテレビの情報番組やネット上で目にするが、「一日の食事の回数」ですら、「朝は抜いたほうがいい」だの「6回くらい小まめに少しずつ摂取したほうがいい」だの……と、もはや“正解”が多すぎて、セレクトが困難な状況となっている。

 この「筋膜リリース」がどのくらいの効果を望めるのか、筆者はまだ経験したことがないので迂闊なことは言えないが、1回の施術が某エステサロンでは2万円(120分)と、かなり高額……であるがゆえ「逆に信用できそう」といった“歪(いびつ)な物差し”ができつつある……と感じるのは気のせいか? 週に2度の草野球だけじゃダメですか? メンバー全員で割れば、審判代込みのグラウンド代1000円弱のみで、とりあえず身体は動かせるのだが……。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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