2016年9月17日は、マンガ史において一つの節目となった。この日発売の『週刊少年ジャンプ』で、長寿作品『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が終わったのである。じつに40年にわたる連載のあいだ、休載は一度たりとてなかった。
この号の『ジャンプ』は保存版ともいえるほど記念企画が満載。連載作家陣がそれぞれ「両さん」こと両津勘吉を表紙で描き下ろし、懐かしい第一話もカラーで掲載された。また、最終巻となる単行本の200巻も同時発売。最終回の数ページの展開がそれぞれ異なるという、さすがの遊び心を見せてくれた。ネタばれは避けるが、筆者個人の感想としては、単行本のほうがオチに脱力感がある(笑)。そこに「こち亀」らしさというか、ギャグ漫画としてのプライドを感じて、ちょっと感動したりもするのだ。
シビアな読者アンケートが行なわれる『ジャンプ』において、「こち亀」はトップに上り詰めることはなかった。が、不人気で打ち切られそうになったこともまた、ない。長い連載期間の中では、幾多の作風の変遷がみえる。しかし、両さんという愛すべきトラブルメーカーの個性が確立していたため、一度は読まなくなった読者もすぐに帰ってこられる安心感があった。故郷のような漫画だったのだ。
作者の秋本治は、これまでも読み切り作品で安定したおもしろさを確保してきた職人だ。現在までに発表されている複数の新作は、その主人公の誰もが、両さんとはうってかわって華のあるヒロインである。これは末期の「こち亀」に、個性的な女性キャラが多かった流れを引き継いでいるといえる。「こち亀」が終わったこと自体は残念だが、秋本ワールドはこれからもまだまだ続いていくのだろう。
この号の『ジャンプ』は保存版ともいえるほど記念企画が満載。連載作家陣がそれぞれ「両さん」こと両津勘吉を表紙で描き下ろし、懐かしい第一話もカラーで掲載された。また、最終巻となる単行本の200巻も同時発売。最終回の数ページの展開がそれぞれ異なるという、さすがの遊び心を見せてくれた。ネタばれは避けるが、筆者個人の感想としては、単行本のほうがオチに脱力感がある(笑)。そこに「こち亀」らしさというか、ギャグ漫画としてのプライドを感じて、ちょっと感動したりもするのだ。
シビアな読者アンケートが行なわれる『ジャンプ』において、「こち亀」はトップに上り詰めることはなかった。が、不人気で打ち切られそうになったこともまた、ない。長い連載期間の中では、幾多の作風の変遷がみえる。しかし、両さんという愛すべきトラブルメーカーの個性が確立していたため、一度は読まなくなった読者もすぐに帰ってこられる安心感があった。故郷のような漫画だったのだ。
作者の秋本治は、これまでも読み切り作品で安定したおもしろさを確保してきた職人だ。現在までに発表されている複数の新作は、その主人公の誰もが、両さんとはうってかわって華のあるヒロインである。これは末期の「こち亀」に、個性的な女性キャラが多かった流れを引き継いでいるといえる。「こち亀」が終わったこと自体は残念だが、秋本ワールドはこれからもまだまだ続いていくのだろう。