今年も、2月16日から確定申告の受け付けが始まっている。
確定申告は、自営業者などが前年1年間の所得を確定し、納税額を申告するもの。会社員の場合は、勤務先の年末調整で一応の手続きは完了しているが、なかには自分で申告しなければいけないものもあり、そのひとつが医療費控除だ。
医療費控除は、医療費がたくさんかかった人に配慮した税制優遇で、これまでは原則的に1年間に支払った家族みんなの医療費が10万円を超えないと利用できなかった。だが、2017年分の申告から「セルフメディケーション税制」という新たな制度が導入され、利用のハードルが下げられた(ただし、確定申告の提出時期は2018年2月16日から3月15日ごろになる)。
セルフメディケーション税制は、国民に市販薬の使用を促すことで医療機関の受診を抑制し、国の医療費を削減することを目的に導入された税制優遇だ。2017~2021年の確定申告に設けられた医療費控除の特例という位置づけで、町の薬局やドラッグストアなどで購入した市販薬が1万2000円を超えると、確定申告でお金を取り戻すことが可能になる。
対象になる市販薬は、「スイッチOTC」と呼ばれる医療用成分が配合された鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬など。2017年2月14日現在、83成分・1601品目が対象となっている。
たとえば、鎮痛剤の「ロキソニンS」、抗アレルギー剤の「アレグラFX」、胃腸薬の「ガスター10」などで、対象商品のパッケージには「セルフメディケーション税控除対象」と書かれた識別マークがつけられる。
控除できる金額は、1年間に自分や家族(生計を一にする者)が購入したスイッチOTC薬が1万2000円を超えた分で、最高8万8000円まで。たとえば、1年間の購入額が5万円なら、3万8000円をその年の所得金額から控除できる。還付金の目安は、所得税率が10%の人だと3800円、20%の人だと7600円、30%の人だと1万1400円(復興特別所得税を考慮しない)。医療費控除は、家族のなかで誰が申告してもいいので、収入が高い人が申告すると還付金が多くなる可能性がある。
セルフメディケーション税制は、ふだんから健康増進の努力をしている人の税金を優遇するのが目的なので、特定健康診査(メタボ健診)、勤務先の定期健康診断、健康診査、がん検診、予防接種のいずれかを受けていることも申告の条件になっている。
ただし、セルフメディケーション税制と従来からの医療費控除はどちらか一方しか利用できない。
医療費控除も、セルフメディケーション税制も、所得からかかった医療費や薬代の一部を差し引くことで、課税所得を減らし、税金を減額するという仕組みなので、使った医療費や薬代すべてが戻ってくるわけではない。
セルフメディケーション税制の導入で利用のハードルは下がったものの、薬代が1万2000円をちょっと超えた程度では、申告の手間ばかりかかって、いくらも税金が戻らないこともある。
出産したり、健康保険の効かない歯科治療をして、医療費が10万円を超えた場合は、従来の医療費控除が利用できる。通常の医療費控除でも、薬局で購入した市販薬は控除対象なので、他にも医療費がかかったという場合はまとめて医療費控除として申告したほうがおトクだ。
とはいえ、セルフメディケーション税制が利用できれば、少しでも税金を取り戻すチャンスであるのは事実。申告には領収書が必要なので、来年の申告に備えて、薬局やドラッグストアのレシートは捨てずに、今からコツコツ集めておこう。
確定申告は、自営業者などが前年1年間の所得を確定し、納税額を申告するもの。会社員の場合は、勤務先の年末調整で一応の手続きは完了しているが、なかには自分で申告しなければいけないものもあり、そのひとつが医療費控除だ。
医療費控除は、医療費がたくさんかかった人に配慮した税制優遇で、これまでは原則的に1年間に支払った家族みんなの医療費が10万円を超えないと利用できなかった。だが、2017年分の申告から「セルフメディケーション税制」という新たな制度が導入され、利用のハードルが下げられた(ただし、確定申告の提出時期は2018年2月16日から3月15日ごろになる)。
セルフメディケーション税制は、国民に市販薬の使用を促すことで医療機関の受診を抑制し、国の医療費を削減することを目的に導入された税制優遇だ。2017~2021年の確定申告に設けられた医療費控除の特例という位置づけで、町の薬局やドラッグストアなどで購入した市販薬が1万2000円を超えると、確定申告でお金を取り戻すことが可能になる。
対象になる市販薬は、「スイッチOTC」と呼ばれる医療用成分が配合された鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬など。2017年2月14日現在、83成分・1601品目が対象となっている。
たとえば、鎮痛剤の「ロキソニンS」、抗アレルギー剤の「アレグラFX」、胃腸薬の「ガスター10」などで、対象商品のパッケージには「セルフメディケーション税控除対象」と書かれた識別マークがつけられる。
控除できる金額は、1年間に自分や家族(生計を一にする者)が購入したスイッチOTC薬が1万2000円を超えた分で、最高8万8000円まで。たとえば、1年間の購入額が5万円なら、3万8000円をその年の所得金額から控除できる。還付金の目安は、所得税率が10%の人だと3800円、20%の人だと7600円、30%の人だと1万1400円(復興特別所得税を考慮しない)。医療費控除は、家族のなかで誰が申告してもいいので、収入が高い人が申告すると還付金が多くなる可能性がある。
セルフメディケーション税制は、ふだんから健康増進の努力をしている人の税金を優遇するのが目的なので、特定健康診査(メタボ健診)、勤務先の定期健康診断、健康診査、がん検診、予防接種のいずれかを受けていることも申告の条件になっている。
ただし、セルフメディケーション税制と従来からの医療費控除はどちらか一方しか利用できない。
医療費控除も、セルフメディケーション税制も、所得からかかった医療費や薬代の一部を差し引くことで、課税所得を減らし、税金を減額するという仕組みなので、使った医療費や薬代すべてが戻ってくるわけではない。
セルフメディケーション税制の導入で利用のハードルは下がったものの、薬代が1万2000円をちょっと超えた程度では、申告の手間ばかりかかって、いくらも税金が戻らないこともある。
出産したり、健康保険の効かない歯科治療をして、医療費が10万円を超えた場合は、従来の医療費控除が利用できる。通常の医療費控除でも、薬局で購入した市販薬は控除対象なので、他にも医療費がかかったという場合はまとめて医療費控除として申告したほうがおトクだ。
とはいえ、セルフメディケーション税制が利用できれば、少しでも税金を取り戻すチャンスであるのは事実。申告には領収書が必要なので、来年の申告に備えて、薬局やドラッグストアのレシートは捨てずに、今からコツコツ集めておこう。