「隅っこが大好きな、ものかげにひっそりと隠れながら暮らす妖精」をイメージした小さなフィギュア人形のこと。その可愛らしいが、どことなく哀愁ただようシンプルな表情とポーズ、さらには周囲が暗くなると発光するため、第一弾発売以来「SNS映えする」という理由で、ネット上を中心に話題となっているらしい。

 500円台から……と価格的にお手軽で、球体の顔に棒状の胴・手足……と両性具有的(?)なデザイン、そして「部屋内に自然と生じる中途半端な空間(半分しか書籍が入っていない本棚とか?)を埋めるのにもってこい」な点が功を奏したのか、女性だけではなく流行感度の高い男性のあいだでも、なかなかの人気を博していると聞く(自宅に彼女を連れ込んだときのキラーコンテンツ、との噂もある)。

 この4月に第四弾が発売。ヒザカカエスキー、フリムキスキー、ゴロネスキーなどポーズを表したネーミングも可愛く、部屋の隅だけでなく、本棚の上、壁際などそれぞれのポーズに合った隅を見つけて飾る。シリーズは「6種類+1シークレット」のうちどれか1つが入っていて、箱を開けるまで何が出るかはわからないというのも人気の秘密らしい。

 だが、一番のポイントは、やはり“発光”なのではなかろうか? 筆者は昔、『王様のア○デア』あたりで売っていた赤やら青やら緑やらに変光する、水だか油だかのなかにできる気泡が揺れる細長く塔状のライトが欲しくて欲しくてたまらなかった時期がある……という恥ずかしい過去を告白するが(今でもちょっとだけ欲しかったりもする)、人間なんだかんだ言って「暗闇で怪しげな光を放つグッズ」には、蛾のごとく本能レベルで惹かれてしまうのかもしれない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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