今年1月からのクールで放送されたアニメ、「けもフレ」こと『けものフレンズ』。野生動物が少女の姿になったキャラクターたちの活躍、と内容を説明すれば、いかにも視聴者を選ぶ印象を受けるかもしれない。だが、どこか大人にとっての「懐かしさ」をおぼえる作風、クライマックスにおける熱い展開で、各方面から支持を受けた。放送終了後も評価の声がやまない。

　この作品でヒロインとなったのが「サーバルちゃん」。サーバルといえば、ヒョウやチーターと同じくアフリカの大地に棲むネコ科の動物。その体躯のしなやかさや、とりわけ大きな耳が特徴だ。俗に「サバンナのスーパーモデル」と呼ばれることもある。毛皮が美しいことから、密猟するハンターも後を絶たないという。

　決して知名度は高くなかったはずだが、いまやスター動物への仲間入り。南幅俊輔（みなみはば・しゅんすけ）氏の写真集『サーバルパーク』（マガジン・マガジン）はベストセラーになった。また、放送以前からサーバルを飼育していた全国各地の動物園、たとえば東京の多摩動物公園や羽村市動物公園 、愛知の豊橋総合動植物公園（愛称のんほいパーク）などは、思わぬ集客の恩恵を受けたようである。この人気はしばらく続きそうだ。