「ジブリ映画の登場人物はとにかく美味そうにものを食べる」。これはファンのあいだで共通認識のようで、国内外を問わずたびたびネットの話題を集めている。たとえば、『崖の上のポニョ』に出てくるインスタントラーメンを再現した動画が、外国人のあいだでおおいに拡散されたこともあった。

 現在、東京の人気スポット「三鷹の森ジブリ美術館」では企画展「食べるを描く。」が開催されている(2018年の5月までを予定)。「日常」を描くことが巧みな宮崎駿(みやざき・はやお)氏の、食事シーンへのこだわりが興味深い。このイベントをきっかけに、ジブリ作品に登場する存在感ある料理群、「ジブリ飯」の語られる機会があらためて多くなっている。

 『魔女の宅急便』に出てくるニシンのパイ、『紅の豚』のサーモンステーキ、『ハウルの動く城』のベーコンエッグ(実際に宮崎監督のお気に入りらしい)などはその代表例。また、『天空の城ラピュタ』に登場する、トーストに目玉焼きをのっけた「ラピュタパン」は、かつてはネットスラングの域にとどまっていたが、いまでは料理名として広く認識されている。レシピサイトなどで、いまもその改良・進化が続いているのだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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