「千駄ヶ谷」と「北参道」をミックスした造語で、東京都にある国立競技場(新宿区と渋谷区にまたがる)・千駄ヶ谷・北参道(ともに渋谷区)エリアのことをおもに指す。

 原宿に近いという位置関係からハイセンスなショップが多い一方で、まだ訪れる人が少なく、あまり知られていない穴場のスポットが多い……と、最近高感度な一部若者たちの注目をにわかに集めている。

 国立競技場からスタートして、鳩森八幡(はとのもりはちまん)神社(千駄ヶ谷駅から徒歩7分)に立ち寄り、北参道あたりに散在する(筆者的には)どちらかと言えば色彩が薄めな印象のオシャレなショップを巡りながら、明治神宮へと向かうのがスタンダードなコースで、その適度に閑散とした雰囲気がデートにも向いている、と評判……なのだそう。

 なにを隠そう、ここ「ダガヤ参道」は、筆者もけっこう昔からの“お気に入りスポット”で、千駄ヶ谷の外苑西通り沿いにある、スラッガー製グローブなどの品揃えが超充実している野球用品専門店『久保田スラッガー』でファーストミットを吟味してから、すぐそばの『ホープ軒』で、今では時代遅れ感の否めない背脂(せあぶら)ギトギトのラーメンを食するのが、年に数度の“秘やかな楽しみ”だったりする。

 だが「野球グッズ→ラーメン」というコースは女子ウケがめっぽう悪く、全然デートには向いていないので、独り寂しくウォーキンするケースが、残念ながら大半だ。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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