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不思議なアゲハ蝶

2011-07-26

台風が去り猛暑が戻ってきそうですが、皆さまいかがお過ごしですか?今回よりメルマガ隊に参戦させて頂く事となりました、タカハタです。不束者ですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

いやいや、それにしても今年の夏も暑いですね。日差しが半端ないので日中、少しでも歩くともうグッタリ。でもそんな太陽カンカンの時でも、蝶って結構元気に飛んでいるものでわたくし、今年はそんな「蝶」にすっかり魅了されております。

というのは3か月程前、我が家で14年と2か月一緒に過ごした愛犬「サクラ」が天国に旅立ち、そのサクラがアゲハ蝶になったと、強く信じているからなのです……。

サクラは黒いラブラドールレトリーバー。まだ赤ちゃんの時に、知り合いから紹介された九州のブリーダーさんの元から貨物飛行機で羽田までやってきました。迎えに行った時、小さなカゴに入れられてブルブルと震えていたのを今でもよく覚えています。それからというもの、家族皆を癒し続けてくれました。笑ったり、泣いたり、怒ったり、毎日を一緒に過ごした唯一無二の大切な存在でした。

ずっと大病もせずに元気だったサクラは、晩年になり骨肉腫を患いました。犬の骨肉腫というのもそれは恐ろしい病気で、痛みは想像を絶すると医師から聞きました。サクラもその痛みと戦いながら、徐々に歩けなくなり起き上がる事すら出来なくなりましたが、それでも苦しい闘病生活を最後まで精一杯に生きました。

そんな闘病生活の中、間違いなく近い将来に逝ってしまうことをサクラ自身も分かっている気がして、せめて不安なく自分の良いタイミングで向こうの世界に行ける様にと思い「あっちは恐くないし、友達もいて楽しいから心配ない。もし家が恋しくなったら蝶々かなにかになって帰ってくればいいよ」そんな話をしました。

・・・そしてその日はやってきて、サクラは旅立ちました。

火葬に向かう直前に、もう本当にお別れなんだなぁ…と思い暫く一緒に過ごしていると、ふと蝶の話を思い出したので

「さくら、蝶々の種類を決めてなかったね。黄色のアゲハはどう? ね、黄色のアゲハになって遊びに来てね」

そう約束をして見送りました。

その日はとても晴れた日で、煙になったサクラが痛みから解放されて気持ち良さそうに空に向かって駆けている様な、そんな気がしたものです。

そして、お骨になったサクラを抱いて家に帰ってきたら……な、な、な、なんと!!! そうなんです! 今まさに、さなぎからかえったばかりといった感じの黄色いアゲハ蝶が、父の頭上をぐるぐる、次に私の体の周りをくるくる飛んでその後、親戚と立ち話をしていた母の方に向かって飛んで行ったのです。

家族には火葬場でこの話をしていたので、みんな驚いちゃって。そして、みんながその蝶をなんの躊躇もなく「サクラ!!!」と呼んでいるのがなんだか可笑しくて切なくて・・・何日間かその小ぶりな黄色いアゲハは、好きだった庭を得意げに飛んでいました。お陰で、アゲハを見るたび私達の悲しみは随分と癒された気がします。こんなことってあるんだな~と。

ただ、その時は5月で蝶はまだめったに飛んでいなかったのですが、暑くなった今の季節よく見るとアゲハ蝶は結構飛んでいるものです。少し緑の多い場所なんかだと、あっちにもこっちにも、サクラ! あ、またサクラ! もう、どれなんだ?! 母ときたら、つがいで飛んでいるのを見ると「あら、彼氏出来たの!」と言う始末・・・(;一_一)

そんな不思議でおバカな、アゲハ蝶のお話でした。

2011-07-26 written by タカハタ
7月も最終週となり、これから夏も本番です。この暑さに負けないくらい何かに熱くなりたいですね!