ジャパンナレッジNEWS

辞書に関係あることも ないことも ごった煮でお届けする 公式だけどオフィシャル感のない スタッフブログ的サイト。登録いただければ メールでもお送りします。
ジャパンナレッジ会員ならナレッジサーチャー(ジャパンナレッジ簡易検索)使えます。

あいさつの氾らん

2012-01-11

年賀状は、正直めんどくさいのだが、もらうとうれしいものである。年賀とは「元来、高年の寿を祝うことばである。古稀、還暦、喜寿などの祝いをいったものである(ニッポニカ)」のだそうだ。元日に一斉に歳をとるのだからお祝いも効率的。明治の初めまでは、主君、師匠のところから近隣の人々にまで年始の挨拶にまわったそうで、そういえば、紀州藩の下級武士、酒井伴四郎の日記を題材とした「江戸の名所」でも、年始は挨拶まわりで忙しそうであった。それが郵便の発達に伴い、はがきでの挨拶とかわり、今日に至っては電子メールでの挨拶も珍しくない。

とはいえ、現在の主流といえばパソコンとプリンターを駆使して写真を多様したものではないだろうか。この正月にも1年を振り返るグラビアのような年賀状がたくさんやってきた。

旅先でのスナップ写真はいまや定番。愛犬、愛猫を前面に押し出すことも少なくない。海外赴任先からは名所旧跡のオンパレード。先日もらった中に、真新しい学生服のうしろに大隈講堂が写っているものがあった。はは~ん、なるほどと思うのである。

これって、facebookと似てないだろうか。頻度は違えどハレの様子を文章や写真で報告するのである。簡単にいうと、自慢だ(いっちゃった!)。

なんて話を、この前していたら「それが、こっそり非難してくる人がいる」という話が飛び出した。こっそり、というのはつまり、みんながオープンな場で「すごーい!」とか「かわいぃ~!」とかいっているそのウラで、「たいしたことないんじゃね」とこっそりメモを渡すような事態があるらしいのだ。具体的にいえば、ウォールで盛り上がっている最中、メッセージで非難されるということ。こわすぎる。

最近のアクティビティのキーワードは「珍しい」らしい。珍しい場所、珍しい食べ物、珍しい体験等々。温泉に行くにしても箱根ではなく、奥多摩の秘湯をめざす。つまりそのほうが話のネタになるからだ。あとは自慢話に聞こえないように言葉を選べば……、ほぉ~ら、facebookが盛り上がること間違いなし! いいね!も増えるのだ! バンザーイ!!

2012-01-11 written by テツマザキ
年賀状も多くなると出費もバカにならない、というだけじゃないのですが、現在進行形で親しくしている方々には出さない、というローカルルールを制定しているテツマザキがお送りしました。本年もどうぞよろしくお願いします。