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明察っ!ていいですよね

2012-09-07

来週15日に劇場公開される映画「天地明察」が話題になっている。はじめて日本人によって編纂された暦=貞享暦が生まれるまでを描いた時代小説が原作だ。

主人公は渋川春海。ちょっと天然キャラだが囲碁にも算学にも、そして夢にも一途となる春海とそんな主人公を応援する人たちの姿はむしろ青春小説じゃないかっ、といった印象でもある。あふれる才能をなかなか生かし切れないでいる心優しい春海ではあったが、後年の成功を予感させるその名の由来が洒落ている。

雁鳴きて 菊の花咲く 秋はあれど 春の海べに すみよしの浜

伊勢物語に関して全く造詣は深くないのだが、いい歌じゃないですか。情景が立つようなやさしい言葉ながらもいつかは自分だけの浜を見つけてやるという情熱がすばらしい!と同時に主人公のキャラクターをよく表している。

もちろん、応援団だって負けていない。といっても、そこは時代小説。天下の副将軍水戸光圀やら、大老酒井忠清やら、会津の名君保科正之など、かなり濃いキャラクターたちが勢揃いする。二十代の才能あふれる青年に国益を託す大人たちの度量が、これまたすてきじゃないですか。すごいぞっ、江戸時代!

最後に、心に残ったセリフをひとつ。

主人公が天測を共にした伊藤から想いを託されたり、会津の保科から資金を託されるときに腹の底から押し出すように(想像だが)いうのだ。

「必至!」

かっこいい!!

2012-09-07 written by テツマザキ
本メルマガ、今回で100回を迎えてしまいました。自画自賛、パチパチ!といっても何か特別なイベントがあるわけでもないのですが、これからもジャパンナレッジの露払い役として精進してまいりたいと思います!