森になればいいのに

家のベランダがもらい物やひろい物の小さな緑で賑わっている。引っ越した当時、誰もがやるようにいくつかの鉢植えを置いてはみたものの手入れが悪く、というよりあまり興味がなかったのが理由だと思うが、ほとんどが枯れてしまった。このような過去を反省し、現在のラインナップはかなり頑丈な、手の掛からない草木で揃えている。

賑わいの中心は掃除中に出てきたタネから育ったひまわり。おそらく何年も前にどこかで配っていたようなタネなのに、いまや1メートルを越えるほどに育つ姿は日増しに存在感を大きくしている。これであの、近くで見るとけっこう不気味な花が咲いたらどうなるのだろうか。

ゼラニウムは虫除けになると聞いてもらったのだが、ここ何年か放置していたので、枯れ枝に貧相な葉が一、二枚といった姿だった。それがあまりに申し訳なかったので、春先に土を足し栄養剤を与えたら、あっという間にわさわさと伸び始め、みるみるうちに花をつけた。本当にタフな花である。

地球環境戦略研究機関国際生態学センター長にして、現在までに3000万本の木を植えてきたといわれるまさに森を作る男、宮脇昭先生いわく日本の森の主役であるタブノキの苗木が、まるでひまわりの下草のように置いてある。桂歌丸が会長を務める落語芸術協会のお祭りでもらい、2年育てて南相馬に返すという被災地復興プロジェクトのひとつだ。ビニールの鉢が かなり小さいので、植え替えて大きくしてしまおうかとも考えるがまだ実行には移していない。

セイロンベンケイソウという葉っぱから芽が出る植物がある。その葉っぱをもらって水に浸していたら本当に芽が出てきたので、適当な鉢に植えておいたのがこの春ニョキニョキ伸びている。花はつかない種類と思われるが、ラインナップの中では少しばかり異色を放つ存在である。

梅雨明けまでに彩りのあるものを加えたいなと少し欲が出てきた。