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2月に公開予定の東洋経済アーカイブズは、明治28年から昭和20年までの週刊東洋経済(当時は「東洋経済新報」)の版面画像を見ることができる。週刊東洋経済は現在まで120年、いまもなお刊行しつづける雑誌としては最古だそう。
明治といえば、漢字が多いわ、古いわ、かな表記も手強い。ということで、目下読み替えテーブルを鋭意作成中なのだが、そういった作業でジャパンナレッジやらほかの辞事典サイトやらを眺めていると、ついつい余計なものに目がいってしまうもの。
そんな作業中、なぜか「乳母」が気になり辿っていくと……、ありました。
乳母を辞書で引くと、母親の代わりに授乳し養育する女性とあるが、英語だと wet nurse と言うんだそうだ。では dry nurse はあるのかというと、それはお乳を与えない保母さんのことだとのこと。これはなんとも言い得て妙だ。読み進めると、母親が死ぬ、あるいはお乳がでないと乳児の命に関わるため厚遇されていたことがわかる。いまのように粉ミルクがない時代だからこその存在だったのだ。
こういった時代背景だったり、文化の違いだったりで、想像力が及ばないこととしてショッキングだったのは、フランスの話題作、ウエルベックの『服従』だ。シャルリー・エブド事件当日に発売された新たなる予言の書とも言われるこの作品は、イスラム政権がフランスの与党となるストーリー。大量の移民、テロの活発化などヨーロッパ情勢をみると、絵空事と断定しきれないところがなんとも不気味だ。
かつて栄華を極めたローマ帝国でさえ滅びたことを思えば、たかだか数百年の現代民主主義文明が滅びないとは言えない、ということか?
自分だけの狭い価値観だけではついつい悪い妄想(狭い価値観ゆえに「悪い」ということになるだけかもしれないが)に結び付きがちだが、来年はいい意味でブレイクスルーが起きること、そして起こすことを願いたい。