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テツマザキ、ラグビーを語る

2019-10-24

私はにわかファンではない、と思っているのは、
新日鉄釜石の伝説の7連覇の瞬間を見ているからだ。

子どもながらに、というほど子どもでもなかったかもしれないが、偉業達成の瞬間を見届けたいという気持ちで、正座をするがごとく見ていた記憶がある。実際はコタツでミカン食べながら見ていたと思いますけどね。

前半は同志社がいきなり2つのトライを決める。現代ラグビーを彷彿させるような同志社のバックス陣。学生のひたむきさに戸惑う社会人。今野のペナルティーキックと、前半終了間際のトライでなんとか1点ビハインドで折り返す。

後半は風上となる釜石。落ち着きを取り戻した「北の鉄人」たちはスクラムでプレッシャーをかけ、得点を重ねる。試合終了間際には、ペナルティーからのマイボールで、ちょん蹴りからバックスへ回すと鮮やかにトライを決め、とどめを刺す。このプレーの直前、松尾雄治が腕で大きく8の字を書く。あまりの大歓声で声が届かないからだ。このサイン通り、8番の千田が同志社ディフェンスを切り裂きトライを決めた(ほんとうは8の字ではなく、C2というサインプレーだったとか)。

この試合で松尾は引退となる。平尾はポスト松尾であったが、松尾には一度も勝てなかった。同志社のかたがたには申し訳ございませんが・・・・・・。
その後、平尾は神戸製鋼で釜石と同じ7連覇を果たし、代表監督を務めるなど日本のラグビー界をけん引。先日の日本戦が行われた10/20が命日というのは運命的なものを感じる。

釜石のイメージは泥臭さ。東北の寒さ、雪、そして地元高校出身の、いい意味でパッとしないおじさん(当時は子どもだったもので・・・・・・)たちが、倒されても倒されても立ち上がってくる。それが北の鉄人だ。プロップの洞口(愛称、ほらさん)なんかはその代表格。いつもドロドロ、ぐちゃぐちゃになりながらプレーする。
一方、都会からやってきた松尾は、いつも襟をピッと立てて登場する。試合が進んでも、ラックに巻き込まれないのか、その襟は試合終了までピッと立ったままだ。7連覇のときだって、立ったままだった(かな?)。

私が釜石好きなのは松尾とちょっとだけ近しげな関係があるからだ。ひとつは松尾の弟が同級生だったこと。もうひとつは親父がラグビーを少しだけやっていて、そのときに松尾の叔父にあたる人が同級生だったこと。まあどっちも間接的なものなので、言ってしまえば親戚の有名人をやたら褒めちぎる、そんなところだ。

釜石7連覇のあと、平尾は神戸製鋼へ。神鋼時代がはじまる。釜石とは対照的なスター軍団、自陣からでも回すようなスタイルからキック主流とプレースタイルも変わってゆく。このころからあまり日本のラグビーを見なくなった。

海外の試合を見るようになったのは、BSでたまに流すようになってから。ニュージーランドの選手紹介が「職業、木こり」って「木こり」には勝てんだろっ!ってのけぞった記憶がある。それと、ニュージーランド代表オールブラックスが試合前に見せるハカ。コマーシャルなんかでも使われたけど、かっこいいですよね。こっちまで吠えたくなるような感じがたまりません。

そんな付かず離れずなラグビーとのお付き合いの末、今般W杯をはじめ、国内で好カードを多くみられるようになったことはほんとすばらしいことです。

課題は多くあると思いますが、なんとなくラグビーは日本人に合ってる気がします。とは言ってもスポーツは勝ってナンボな世界でもあるから、今後もチームJAPANの強化を継続、そしていろんなメディアで続けてラグビーを紹介してほしいものです。

2019-10-24 written by テツマザキ
釜石は現在「釜石シーウェイブス」として活躍中。でもシーウェイブスの試合って見たことないかも。ごめんなさい。釜石といえば、応援団の大漁旗もいいですよね。あの大漁旗はぜったい外国人にウケると思うんだけどなあ。こんど釜石の国際試合を探して見てみよう。