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落語の落(サゲ)

2021-04-13

新宿のにぎやかな飲食店街に突如あらわれる古めかしい外観の末廣亭。落語好きの間では有名な、明治30年に開場した寄席です。
新宿三丁目に出かけるたび気になってはいたのですが、なかなか入る機会がなく先日ようやく足を踏み入れました。

内装は非常に渋く歴史ある雰囲気ですが、客席は若いお客さんの姿が目立ち活気があります。
落語が中心ですが、漫才や手品や曲芸などバラエティに富んだ演芸が楽しめるので老若男女に人気のよう。
昼の部と夜の部の二部制で、例えば昼の12時に入れば16時までたっぷり昼の部を満喫できます。
私は落語が好きなので、古典落語から創作落語まで堪能でき最高の時間を過ごしました。

なかでも、今回印象に残ったのはベテランの噺家さんによる「権助提灯」。
本妻と妾(めかけ)の間を行ったり来たりする旦那と権助の様子を、おもしろおかしく演じる古典落語の演目です。
マクラとしても演じられるほど短い噺ですが、女同士の微妙な心理戦や翻弄される旦那と権助のやり取りなど噺家さんの話芸を存分に楽しめます。
この噺の主人公・権助は、古典落語によく登場する奉公人のキャラクターで訛りのある田舎者。朴訥で真面目なのですが、ちょっとおバカでよくドジをする人物として描かれています。
この権助が登場する演目がとくに大好きなので、ベテランの味わいのある権助を聴けて幸せでした。

さて落語には必ずサゲと呼ばれる落ちがつくのですが、ジャパンナレッジ『東洋文庫611、615 新編落語の落1、2(全2巻)』には300以上の落語の「落(サゲ)」が収められています。

週刊 東洋文庫1000

この「権助提灯」のサゲは、ぜひジャパンナレッジの『東洋文庫』でご確認ください。

2021-04-13 written by マツオカ
落語以外にも紙切りなどの伝統芸能を間近で観ることができたり、新宿で時間が空いたらフラッと寄ってみるのにとても良い場所でした。