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ドラマで学ぶアクセシビリティ

2021-10-29

コロナ禍の今夏、かおるんはいまさらながら韓流ドラマにはまった。YouTubeも大好物で毎日チェックしている。というわけで、そろそろテレビっ子かおるんにとって地上波のドラマってオワコンなのかなあなんて思っていましたが……いやいや今クールのドラマ、月9に新設の月10に金10にとわりと見ています。

なかでも好きで好きでたまらないのは、日テレ水10枠『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』だ。杉咲花ちゃんと杉野遥亮くんのフレッシュコンビ(響きが昭和!)によるラブコメである。

かおるんは今年度から創設された社内のアクセシブル・デザイン推進室のメンバーである。弱視のヒロインの日常を見られるのは勉強にもなるし、「おちょやん」で好きになった花ちゃんが朝ドラ明け初出演だし、ということで始まる前からこのドラマ、注目していました。

うおやまによる同名タイトルの4コマ漫画が原作である。で、このドラマ、本当にいい人しか出てこない。裏切りやらドロドロやらまったくなく、みんながみんなとにかく優しい。ヤンキーたちもみんなピュアでいいヤツなのだ。

白杖を持った盲学校生・赤座ユキコ(花ちゃん)が点字ブロックでヤンキー座りをして仲間とくっちゃべってる黒川森生(杉野くん)に注意するところから物語が始まる。ユキコに一目惚れしたヤンキー・森生のユキコのことを理解しようとする思いはのっけから本当にすごかった。

黄色い点字ブロックのことを「丸いポコポコはあぶねーからとまれ、長い棒のほうは進む方向を教えてくれてるんですよね」。白杖のことを「目の不自由な人にとって命よりも大事なもの」と言い、「命の次に大事」とユキコに突っ込まれると、「俺ってマジ理解が足りねー」と悔しがる。

映画館では音声ガイドを使い、ボイスメールで連絡を取り合い、容器の側面にあるギザギザでシャンプーとリンスを区別し……日ごろ視覚障害のある方がどういったものを使い、どういった工夫をして生活しているのかが、理解できるつくりとなっている。

学校のシーンは実際の盲学校を使って撮影しているそうだ。ユキコのクラスメイトの青野君は全盲、空ちゃんは弱視。ユキコは光と色がぼんやりわかるタイプ、空ちゃんは視野が欠けるタイプで、同じ弱視といえども違う。青野君は点字タイプライター、ユキコと空ちゃんは拡大読書器を使って勉強する。

白杖を振るのには技術が必要だという。半年から1年の練習を重ねて、ようやく外の道を歩くことができるのだ。また盲学校の校内では危ないので白杖は使わないそうだ。白杖一つとっても、知らないことが多すぎる。

ユキコと森生のかわいい恋、周囲の人たちと紡ぐ優しい世界。それとともに弱視のユキコの日常をあと6回、垣間見ることができる。12月の最終回まで大切に見守りたいと思える、大好きなドラマだ。

2021-10-29 written by かおるん
弊社のウェブアクセシビリティの歩みについてはまた今度ご報告します。